マンガ・ロジスティクス・エフ

漫画とロジスティクスとFの話をします

株式会社オープンロジを退職します

2019/08中旬ぐらいで退職します。

だいたい1年8ヶ月ぐらいかな。 骨を埋める覚悟でいたので、こんなに早く退職することになって自分でもびっくりです。

なんの会社?

物流プラットフォーム「OPENLOGI」を提供するスタートアップ企業です。

https://www.openlogi.com

なにしてたの?

直近ではQAエンジニアをやってました。 新機能やバグフィックスなどに対する手動テストや、CodeceptJSを使ったリグレッションテスト自動化などを行っていました。

入社間もない時期は、フィールドエンジニア的にいろんな倉庫を回ったりもしていました。主に現場からのヒアリングとトラブルシューティングトラブルシューティングというのは例えば、

  • 「倉庫の隅のほうにWi-Fiが届かないからなんとかしてほしい」
  • 「プリンタから印刷されないんだけどどうしたらいいの」

みたいな問い合わせが現場から来たときに、リモートで調査・対応したり、それが難しいときは現地に飛んで調査する感じです。

Webの技術を使ってる会社で、ハードウェアやネットワークのトラブルシューティングをやる経験ってかなりレアだと思うので、非常に面白かったです。

なんで辞めるの?

端的に言うと、ロジスティクスよりテスティングのほうに興味が向いてしまったからです。

話すと長くなるので端折りますが、自分はもともと非エンジニアの物流畑出身で、物流の泥臭い部分を大いに嫌い、同時に愛してやみませんでした。 そんな自分にとって、物流スタートアップというフィールドはとてつもなく魅力的でしたし、入社時点では

「ワシの生きる場所はここしかないんじゃ、倉庫がワシの全てなんじゃ」

ぐらいの勢いでした。

それがまあ、いろいろあってQAをやることになり、仕事の幅を広げるためにアウトプットしたり勉強会に参加したりしてるうちに

「ヤダ……テスティング奥深い……」

ってなってしまい、そっちを専門にやっていこうと思ったのが動機です。

あと、まあ、なんというか、根っこの部分ってあんまり変わらないんですよね、物流もテストも。 特にいわゆるテスト実行の部分とかって、誰でもできる単純作業みたいなニュアンスで語られることが多く、物流業界と同様労働集約型の世界です。 そのへんをうまいこと解決して、テスティングをよりクリエイティブな仕事にしていきたいなーという方に情熱が向くのは、自分の中ではあんまりズレてない感じがあります。

もちろん、オープンロジで自社サービスの品質を高めまくるという選択肢もあったし、そうするつもりだったのですが、ご縁とかタイミングとかそういうアレで一旦お別れすることになりました。

さよならオープンロジ、そしてさよならストックオプション

紙切れになっても一応持っておきます。記念に。

ぶっちゃけ、なんかあったんでしょ?

ネガティブな理由はあんまり無いです。

強いて言えば給料が上がらなかったことぐらいですかね。 こればっかりは自分の力不足なのでどうしようもないです。

ただ、世の中全般に言えることですが、その会社で培った実績よりも、他社での経験のほうが評価されやすいのはなんとかならないもんかなと思います。

楽しかった?

楽しかったです。本当に。

楽しめた一番の理由は、カルチャーフィット、これが何よりだと思います。

趣味にしろ仕事にしろ、自分が好きだと思うものをチームメンバーも好きだと思っている、という価値観の一致は、(陳腐な言い回しですが)「自分らしく」働く上でとても大切な要素です。 それがあるからこそ自分は楽しく働けたし、チームのパフォーマンスに貢献するよう努力できました。

そんなわけで、趣味の合う人が多かったのはすごく良かったです。 おれはサイクリングと漫画とディック・ブルーナムーミンとPKDが好きなのですが、こんなニッチかつ幅広い趣味嗜好でも、社内を見渡せば必ずどっかしらに話の合う人がいました。 部分的に趣味の合う人(例えばヒロアカが好き、とか)に会うことはこれまでもあったのですが、自分の趣味嗜好全部について話せる人間が居る会社ってなかなか貴重です。

あと、物流が好きなメンバーが多かったこともうれしかったです。 前職以前のエンジニアは割と「言われた通り作ります」な人が多かったのですが、オープンロジのエンジニアはむしろ「俺自身がドメインエキスパートになることだ」ぐらいの勢いで物流にコミットしている人が多く、入社当時はPMとテックリードが専門誌を読んで談笑している、みたいなシーンもしょっちゅう見かけました。

(他方、自分が物流業界に居たころは、同僚も上司も物流には一切興味が無く……正直つまんなかったです)

子育て中のメンバーも多く、情報共有が盛んだったのも凄くありがたかったです。 Slackに #baby というチャンネルがあり、そこで我が子の写真をシェアしあったりして、子供好きには眼福でした。

Slackの話が出ましたが、Slackを中心にしたオープンなコミュニケーションが、自分はすごく気に入っていていました。 社内のあらゆる議論、あらゆる雑談をウォッチし、参加できるというのは、前職までのメール文化と比べて凄く新鮮でしたし、議論と決断までのプロセスが可視化されているというのは、決定に対する納得感を得る上で大変良いものだと思いました。

組織の成長と共に、ガイドラインの制定がなされたり、発言に気を遣わないといけないシーンも増えてきたのですが、これからもこのオープンさだけは失わないように大切にしてほしいと思っています。

成長できた?

技術的に成長できた部分も多いのですが、一番成長できたのはエンジニアとしてのマインドセットです。 優秀で経験豊富なエンジニアに囲まれてることは、こんなにもプロ意識を高めるものなのか……と思いました。

  • バージョン管理をする
  • ライブラリのバージョンを定期的に上げる
  • ドキュメントを残す
  • 分かるまで調べる/質問する
  • テストを書く
  • 技術的負債を返済する
  • エラーログを監視する
  • 負荷を監視する
  • インシデントに全力で対応する
  • OSSに貢献する

上記に挙げたようなことは、当たり前と言えば当たり前なのですが、これを当たり前にこなしていける文化を作るのは凄く大変だと思います。 それを作り上げてきたメンバー全員を、自分は大いにリスペクトしています。 小手先の技術よりもはるかに、エンジニアとして大切なことを学ばせてもらいました。

あと、地味なんですが、QAだからと言って特別扱いせず、徹頭徹尾エンジニアとして扱い、言い訳を許されなかったのは、凄く成長の糧になりました。 ざっくり言うと、DockerやGitは使えて当然、コードは読み書きできて当然、スタックトレースは追えて当然、みたいなレベル感です。 良く、QAとエンジニアの間に壁がある、みたいな話を聞きますが、オープンロジに限って言えば無かったのではないかなと思います。 だってどちらもエンジニアだものね。壁の作りようがない。

厳しくもあり、一方で質問や失敗に寛容で、わからないことややらかした時に気軽にヘルプを求められる環境も整っていました。 #dev-newcomer という、質問専用のチャンネルがあったのですが、newcomerという名前とは裏腹に、CTOすらこのチャンネルで質問しているというのはなかなか面白い光景でしたし、質問へのハードルを下げてくれました。

最後になんかいいたいことある?

冒頭にも書いたのですが、それこそ5年10年と働き続けて、みんなと上場を見届けることを夢見て働いてたので、辞めるのは結構、いや相当寂しいです。

みんな、体に気をつけて頑張ってね。上場記念パーティーには呼んでね。

これからどうするの?

某社でSETをやります。

社名、伏せる必要はなさそうだけど、入社前なんでなんとなく伏せとく。気になる人は直接聞いてね。

余談

送別会の幹事を自分でやりました。

f:id:tsuemura:20190807000318p:plain

イジメとかではないです。はい。