マンガ・ロジスティクス・エフ

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「モヤる」って言わないようにしている

昔は結構「モヤる」という言い回しを多用していた。例えば次のような使い方だ。

「◯◯社のNさんに『半年以上放置されてたのだからすぐ取り掛かってほしい』って言われたんだけど、なんかモヤるな」

要するにモヤモヤした気持ちのことを表している。当時はSlackの分報、いわゆるtimesチャンネルという個人チャンネルにこういうのをつらつら書いていたのだが、この言葉を入れると不思議と誰からも返事が来ないことが多かった。なので、意識的に使わないようにしていたのだけど、最近ようやく理由が分かってきた。

先に挙げた例のような使い方だと、Nさんに言われたことについて何らかの不穏な感情を持っていることを示唆しているのだけど、「モヤる」という言葉にどのぐらい強い意味を込めているのかが分からないし、そもそも読み手にどのようなアクションを求めているのかがはっきりしない。

おれが昔「モヤる」という言葉を使っていたのは、多分表現やコミュニケーションの未熟さから来ていた。Nさんに言われた、ちょっとチクっとする言葉について、色々と思うところがあるのだけど、それをNさんに面と向かっては言えず、自分でも上手く説明できず、誰にどう相談すれば良いかも分からず、気持ちの整理を付けないまま素朴に吐露してしまったのだと思う。

ただ、こういう素朴で雑な表現を使ってしまうと、読み手にニュアンスが伝わらず、みんなどう返事したら良いか分からなくて、結局「誰もおれのモヤモヤを救ってくれない」みたいな気持ちになってしまう。これは非生産的なので、悪い習慣を自覚して自分から止めれたのはすごく良かった。

代わりに使っているのは「こう思います」「こうあるべきです」「どう思いますか」といった表現だ。また、自分の意見があれば率直に表明する。そして、誰に聞けばいいのか分からなくてもとりあえず誰かにメンションする(オンコール用のエイリアスがあればそこに送る)。

とはいえ、昔はこれが出来なくて「モヤる」で片付けていたわけで、じゃあ何が変わったのかと言うと、自信が付いたことと、他者を信頼するようになったことだと思う。間違った人に聞いても怒るような人はいないし、的外れなことを言って笑う人や、言い方一つで怒鳴りつけてくるような人はいない。そして、おれはそうそう的外れなことを言わないし、そうそう怒らせるようなことを言わない。こうやって考えられるようになったので、おれはもはや「モヤる」という言葉を使わなくて良くなった。

「モヤる」に代表される雑な表現を避けると、自分の言いたいことをきちんと相手に伝えられるようになる。言語化能力はもとより、自信や信頼など必要なものは多いのだが、避けることによるメリットは多いと思う。