マンガ・ロジスティクス・エフ

漫画とロジスティクスとFの話をします

仕事を辞めてプログラミングスクールに通おうとしてる人に伝えたい3つのこと

別にプログラミングスクールに限った話ではないと思うのだけど、将来への不安からスキルを身に着けるために学校に通い直す、みたいなのはよくある話だと思う。

自分も何度か検討したことがあったけど、結局そういう選択肢は取らなくて、普通に独学で勉強して、今ではソフトウェア開発者として生計を立てている。

会社は辞めないほうがいい

何かを始めるとき、所属している組織(会社でも学校でも何でもいい)を抜けて、新しいことにフルコミットすると「一念発起して始めた」という感じが生まれるのでテンションが上がるのだが、辞めて得られた時間を全部新しいことに使えるかと言うとそうでもない。

なんでかというと、新しいことを始めるのは思ったよりエネルギーがいるからだ。新卒3ヶ月とかならともかく、3年目とかにもなれば、業務のほとんどはルーティンワークになっているだろう。時間あたりの消費エネルギーは、新しいことを学ぶより格段に低いはずだ。その時間を前提に、将来の学習時間を見込むと、期待はずれのことになる。

つまり、こういうことだ。仮にいまの会社が長時間労働体質で、1日14時間とか働いているとする。会社を辞めたら、その14時間をまるまる学習に使えるだろうか?実際のところ、慣れた職場、慣れた仕事で過ごす14時間と、新しいことを学ぶ14時間は全然違う。大抵の人はそんなに集中力が持たない。

なので、一念発起するなら、会社を辞めるのではなく、スキマ時間で勉強するという方向で頑張ったほうがいい。プログラミングに限った話で言えば、無料あるいは少額で学習できる教材がそこかしこに転がっている。思い切った選択肢を採るのはそういう教材を一通り試してみてからでも良いと思う。

もちろん、退職によって解決出来ることが多い(パワハラ上司から逃げられる、長時間労働から脱出できる)のであれば退職しても良いとは思うが、それは別にスクールに通い始めるのとセットではなくてもいい。普通に転職して、同じ条件でゆるめの会社に行こう。

いきなりプログラミングにジャンプしない

先にタイピングとWordとExcelを覚えよう。

プログラミングは問題解決の手段としては高コストな部類に入る。高いITリテラシーが必要で、一つの物事を成し遂げるのにたくさんの知識と作業時間を必要とする。ハイスペックなパソコンも必要だ。セキュリティホールがあった場合には、それによって一般ユーザーに迷惑をかけてしまったり、場合によっては訴訟に発展することもある。

世の中の大抵の仕事にプログラミングは必要ない。ポータブルスキルが欲しいなら、ブラインドタッチとWordとExcelを練習しよう。世の中にはそれすら出来ない人間が大勢いるので、それだけでかなりの差別化になる。

おれの最初の上司は、一本指打法で、30分かけて、5行の日報を書いていた。新卒で入った会社の給料が安かったのは、そういう社員に合わせてベースラインを引いていたからだ。ブラインドタッチが出来て、ちょっとしたExcel関数が使いこなせれば、同じ仕事内容でも給与レンジが高い会社に入れる。

今出来ることを大切にしよう

「転職したいけど、転職できるだけのスキルが無い」と思ってる人に是非知ってほしいことがある。それは、間違いなくあなたにはスキルがあるということだ。無いと思っているのは、ただの思い込みだ。

あなたの勤め先が、そのビジネスで金を稼げているということは、顧客はあなたの仕事に価値を見出しているということだ。あなたの仕事がいわゆるマックジョブ、つまり誰にでも出来るようマニュアル化されたものだとしても、そのマニュアルを使って仕事をして、顧客に価値を届けているのは、他でもないあなた自身の手だ。

良くある勘違いとして、「うちの会社はまだ紙とペンで仕事している。大企業ではこんな泥臭いことはしていないはずだ。この会社での経験は他の会社では何の役にも立たない」というのがある。

実際には、大企業も含めてほとんどの会社に紙とペンでの業務が存在する。FAXだって現役だ。歴史ある企業ほど、20年以上前に大枚払って導入した社内システムから抜け出せずに、そのまま使い続けていたりする。

随分脱線したけど、要するに、スキルを難しく考えないこと。あなたが「無駄だった」と思っているその経験は、意外と世の中で重宝されるものなのだ。

もし、それだけじゃ自信が持てないというのなら、上に書いたような一般的なIT技術からまず身に着けていき、それらを使って今の仕事を効率化できないか考えてみよう。更にその先、もっと効率の良い方法を模索する中で、プログラミングという手段があることを思い出してみてもいいと思う。